Corseka 誰もが一度は考えるビジネス

Posted by sibatomo | Business/Economics,Technologys | 金曜日 9 10月 2009 4:52 PM

雑誌を電子データとして購入できるCorsekaが先日オープンし話題、というか波紋を呼んでいる。

このサービスは、一般に販売されている雑誌を、Corsekaが独自にスキャンしそれを販売する。

FAQによると、

コルシカとは、デジタルデータ付きの雑誌を取り揃えたオンラインストアです。

とあり、あくまでデジタルデータは、購入から閲覧までのタイムラグを埋める補助的手段である。という主張だが、現物(通常書店で売られている形態の印刷出版物)を手にするには、購入後個別に配送依頼をする必要があり送料もかかることから、デジタルデータでの利用を想定しているといえるだろう。

購入したデジタルデータは専用のビューアを使いインターネット経由でのみ閲覧可能で、購入後12ヶ月間保存される。
個別ページをお気に入りフォルダ等に転送することで36ヶ月間保存されるスクラップ機能も提供されるが、ローカルディスクへのダウンロードや印刷は出来ない。

少し試してみたが、まだ便利に使えるレベルには至っていないと思う。

その理由として、
・ビューアが使いにくい
・取り扱い雑誌が少ない
・法的にどうなのか
といった点が挙げられる。

まず、ビューアはAdobe Flexベースで開発されているため、OSやブラウザの種類を問わず、Flashプレーヤーがインストールされていれば起動できる。
しかし、どうも作り込みが甘い。サムネイルを含め全ての表示中画像が実画像サイズ(保存されている最大解像度)で読み込まれているため、ページをめくっていくとどんどんメモリを消費してゆく。10ページめくると600MBほど占有していた。

だからといって、サムネイルをクリックしても即座にページは表示されず、少々待たされる。サムネイルと開いているページの画像は別でダウンロードされているようだ。
また、画像サイズが1種類しかないため、通常表示時には画像を縮小して表示することとなる。
しかしながら、この縮小画像にアンチイリアスがかからず、シャギーが目立つためとても文字が読みづらい。
最大まで拡大してもつぶれて読みづらい字もあった。

ここは、もう少しシームレスにそして見やすく表示して欲しい。
ユーザが求めているのは雑誌そのものでなく、そのコンテンツなのだから。

しかし、この問題点と取り扱い雑誌が少ない(執筆時68誌)点は、すぐに解決できるだろう。

では、このサービス法的にどうなのだろう。

実は同種のサービスを僕も考えたことがある。
というか、高速なスキャナがあります。っていわれたら誰でも考えそうなアイデアだ。

SFC在学中の話であるが、年に二回、学期はじめに大学生協がシラバスから参考文献を抜粋し、科目毎の参考文献をまとめたリストを発行している。当然、多くの学生が同じ本を購入するため、人気講義の教科書は山積みで売られている。

しかし、分厚い本も多く重い。常にラップトップPCを持ち歩いているSFCの学生は、あまり教科書を持ち歩きたくない。

そこで、教科書をデジタルデータに出来たら良いなと考えた。

当時、同人誌を電子書籍として販売するビジネスを行っていたが、そのプラットフォームに載せてしまうと完全に著作権法違反なので、電子化書籍の販売という形態では行えない。

では、書籍を持ち込んでもらい、その持ち込まれた書籍を電子化する、スキャニングサービスならどうかと考えた。
しかしこれも、使用するスキャナが、著作権法第30条1項の除外規定1の「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器」にあたり、私的複製の範囲外となり著作権法違反である。

というところまで調べて、諦めた。
私的複製の代行サービスは違法なのだ。

また、仮にこれが大丈夫だとした場合でも、書籍の全ページを効率よくスキャニング するためには背表紙を裁断しばらばらにする必要がある。これは考え方の問題だが、バラバラにされるのは抵抗がある人が多いだろう。
だが、 教科書指定図書は前述の通り皆同じものを購入するため、最初の1冊のみバラバラにしてスキャンすれば、次からは同じデータであるので、そのデータを渡せば良いことになる。

すると、結局購入したものそのもののスキャンデータではないじゃないかということになり、これはスキャン代行では無くなる。
というわけで、単純に複製権の侵害による著作権法違反だ。

Corsekaのサービスも、購入と同時に電子データが提供されており、ユーザが購入した雑誌そのもののスキャン結果ではないように思える。
しかしCorsekaのサイトをよく見ると、電子データを提供しているのにも関わらず「在庫切れ」が存在する。

これをとても前向きに都合良く「あらかじめ用意された冊数全てスキャンした上で、その個別データを提供している」と解釈すると、どうだろう。(*作業上超非効率なので現実的にはあり得ないと思いますが。)

Coresekaの場合は、業務で行っており営利目的と認められるのでいけませんが。
「私的に利用する目的で複製したものの、その複製元となった原本の所有権を譲渡することとなったため、その複製物を手元に置いておくと著作権法違反になると思い、複製元の所有権と共に譲渡した。」
という場合は、どうでしょう。

ちょっと書きすぎて疲れてきたのでこの結論は割愛するとして。笑

Coresekaを運営する株式会社エニグモはメディアの取材に対して「ユーザーが購入した雑誌をスキャンして電子化することは、個人利用の範囲。我々はそれを代行している。」とコメントしているそうで、私的複製の代行業務であることを認めており、違法である可能性が高いと思います。

ちなみに、似たようなところで「まねきTV」というロケーションフリーサーバのハウジングサービスがありますが、こちらはロケフリ機器をユーザが購入する必要があり、ユーザ専用の機器であるため「公衆の使用に供することを目的として設置されている」とは見なされず、合法判例が出ています。

つまり、書籍と共にユーザ毎のスキャナ(及びPC、ソフトウェア)を購入してもらい、それを使用してスキャンする場合は、同項適用外となり単純な労働代行サービスとできそうですね。

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